おかげさまで、私の住む地域ではさほどの被害もなかったですが。
私はそのとき、千葉県市川市におりました。
特に見るでもなく、BGM程度にテレビがついてたんだけど、いきなり画面に東北の地図が挿入されて、警報と大きな地震がどうとかというアナウンスが始まったさ。
私「えー、またあっちで大きな地震があるとかってこと?」
家主A「地震があったから津波に気をつけてってことじゃないの???」
でもすごい呑気モード。だって、今までこんな画面見たことなかったですから。
と、それからまもなくぐらぐら来た。
私「うわー、なんだこりゃ、さっき東北つーてたじゃんか!!」
A「ちょ、ちょっと何すごいこれ!!」
私はしばらく斜め横から冷蔵庫を抑えてた。(あぶねーな。しかしこっちにはまず倒れないし、どっちりした冷蔵庫が倒れる気配もなかった)
二人ででかいだの津波じゃなかったとか騒ぎながら玄関に走って、ドアを開けて外の様子を見てみる。いい加減もう収まってくるかと思ったら、どんどんでかくなってきた。
少なくとも、自分が経験した中では一番でかい地震。しかも長い!
でも、ガタガタはものすごいけど、縦にドカドカ揺れてもいないので、家が壊れるとかの不安は無かった…いや、横揺れでも充分危ないとは思うけど、崩壊するって雰囲気でもなかった。(だから冷蔵庫を押さえている余裕もあった)
それから、ゆーらゆーらみたいな、ゼリーの上に乗ってるような気味の悪い揺れが長く続いた。
「うーん、大地震の予知って出来るようになったんだ、すごい。」
「でもあんな直前じゃ逃げ切れんし、地図が出てた東北じゃもっと大きかったよね、きっと」
と、屋内は特に何事も無かったので、すごかったを語ってるとまた来た!
見ているテレビじゃアナウンサーもびびりまくりである。
震度がいくつとか交通情報とかそんなことではなく、大津波が来るから避難という内容を繰り返している。
大津波警報が我ら内房にまで出るのはただ事じゃないよ…内房よ?。そしてすぐに、大津波に襲われる東北の街の様子が映って驚愕。津波7メートル?うわー、あれって全員逃げたの?建物の中にまだ人がいるんじゃないか?
ひっきりなしの余震もしばらくすると慣れてきた。上空はヘリコプターがいろいろ飛んで行きます。
Aさんは冷静に見えても内心そうとうテンパってるようで、日本沈没とかの映画の話をしてます。
しばらくして交通情報が出た。JRはまず動いてないだろうとは思ったけどやはり。
京成・新京成はどうかと思いつつ、地震から約2時間後、帰路につくことに。
駅前は普通に老若男女みんな歩いてます。車道は混んでます。
以下、前を歩いているおじさん二人組の会話。
「えーっ、ぜんぜん気がつかなかったの!?」
「うん、まあ、そんな大きかったかあ?」
「そんなにって、おっきかったよそりゃあ!!」
…うーん、これは熟睡というより気絶してたんじゃないのかね。
「あっ、あそこも曲がってる!!」とあちこち指差して歩いて行く普通のリーマン3人組もいた。なんだろう、不動産屋?
マツキヨは閉店してるけどヒグチと福太郎は通常営業。
マツキヨだけは東北にも支店があるんだけど、そのせいもあるのかなあ。
…京成も止まってますよ。
駅にはシャッターが降りてて、その前に人が溜まってます。
無人の京成八幡駅。電光掲示板は準備中としか出ていない。
さっきから携帯はまったく通じない。公衆電話の列に並んでたら、パチンコ屋の店員氏にカイロをもらい、ありがたく使わせていただくことに。
でもなあ、電話もまったく列が進まないし、あきらめて別のパチンコ屋でトイレを借りてから、歩いて帰ることにした。
電車はいつ動くかわからんです。
実は普段から地図を持ち歩いております。リュックにはペットボトルも入っております。
多分千葉街道を東に歩いて行けば家のあるほうに帰れるので、そうしてみよう。みんな大勢東京方面からぞろぞろ歩いてます。車道は混んでます。
日も暮れて、市役所向かいの心霊スポット「八幡の藪知らず」も暗い。
途中、古いビルの壁が崩れてて、県警の立ち入り禁止テープが貼ってある。
骨董屋ではまだ電気がついていて、店主が難しい顔で座っている。ウィンドーにある、復元してあるツボがひどくいびつだったんだけど、もしや棚から落っこちてこうなったのか、元からこんな形なのか?
消防車や自衛隊のジープが赤色回転灯をつけてどっかに走っていく。
船橋中央病院でまたトイレを借りた。看護婦さんも普通に働いておられる。
交差点で唸りながら地図を見てると、4人組の青年に「どっち行くんですか?」と声をかけられ、親切に道を教えてくれた。
地図を見ても迷う私としては大変ありがたい。おかげで迷わず無事に帰れたよ。
さらに歩いて、やっとマイステーションに到着。真っ暗な電車がホームに泊まっております。
ああこりゃバスも動いてないだろうな…と思ったら、動いてるじゃないですか!!
駅にも電車が来ないのと、うちの路線はローカルすぎて道路混雑とは特に関係ないようです。しかもバスの中ガラガラ。
結局、徒歩~2時間半くらいで最寄り駅まで到着です。
寒かったけど、幸いさほど苦労せずに帰宅できた。途中でお菓子食べながら来たので特に腹も減らず。
近所の人が、奥さん(60歳くらい?)が、東京から8時間かけて歩いて帰ってきたと話してた。そりゃあファミレスなんかは営業してたけど、そういうところで寄り道しながらでも疲れたろうなあ…。
それにしても、津波って何か防ぐ方法はないのかね。
うちらの地域は、特に被害も無かったから疲れたとか呑気なことを言えてるわけですが…。
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