年末なので、多少は真面目に掃除するべ。
そしたらこんなのが出てきた。
ディスカバリーチャンネルの「アンソニー世界を喰らう」のアンソニー・ボーデインさんが表紙の、某クレジットカードの会誌だわさ。2005年11月号。
アンソニーが東京に来た際のインタビュー記事が載ってるので、あとで読もうと思ってその辺に積んどいて、そのまま手付かずで2年熟成させていたのだ。2年で済んでよかったわい。ていうか、まだ見つけただけで読んでない。
あの頃は、たしか世界の珍味物シリーズで、目の前でさばいたコブラの生き血をすすめられて強引に飲んでたなあ。ちりちり頭の友人が「これはレモングラス風味かい?うまいね」なんていいながら屋台のモツ炒めを食べてるのをいやそうに見てたり。危険地帯にある食堂まで出かけていったりもした。
どんな場面でも、けっこうな冒険をしながらも、淡々とした冷めた語り口が絶妙で大変よろしい。
ところで、このクレジットカードの会誌。
70年代には、寺山修司が連載を持っていた。
「不思議図書館」という、寺山氏の珍奇珍妙な本のコレクションのなかから毎回テーマをきめて紹介するものだった。
しかも内容はというと、糞食がどうのシャム双生児がこうのエログロがどうのetc。
他のページではキャビアの通販とか金無垢のロレックスの広告とか、超一流店の紹介や洒落たゴルフエッセイなどのいかにもステイタス最上級な記事満載なのに、寺山ページだけは
便器願望の男やら
フリークス(←映画よ)の写真やら、もうそこだけ異臭を放っているのだ。
巻末の読者投稿欄では、エグゼクティブな読者の方々が「本誌に似つかわしくない」などど批判。そりゃそうだ。でも、そんな批判も編集部がやんわりとなだめ、途中でいったん休載したものの、結局2年くらいは連載が続いていたと思う。当時の編集長ってすごい人だったんだね。
そして、当時の会誌の表紙はずっと三輪晃久氏の写真だった。
寺山氏がパリの裏町にあるいきつけの古本屋で仕入れた奇書の話、ヨーロッパの魅力を切り取ったような三輪氏の素晴らしい表紙、そしてエロイカと少佐のおかげで、私の中で海外渡航熱がぐらぐらと煮えたぎったのは言うまでもない。
表紙写真は後に写真集「われら地球人」に収められたと思うが、いまだに高すぎて買えん。三輪晃久氏はエッセイもすごくいい。なのに、去年、新聞の死亡欄に載っているのを見つけてショックだった…。
深く考えずにユザワヤまではるばる出かけて消しゴム2個だけ買った。
真面目にガイキングとかグレートとか書こうと思ってさ。上手くかけないけど。
それと、おもしろいので某有名神社で祈願してもらったという合格祈願消しゴムもついでに買ってみたよ。
古い消しゴムは捨てるわ。これも掃除の一環ですねってことで。
なんのまとまりも無く昔話をして満足したので、掃除再開。
以前は「不思議図書館」と「幻想図書館」という2冊に分けられて出版されたのだけど?最近は1冊にまとまったのかなあ。ちなみに、会誌に連載していたもののうち、本に収録されてないものもいくつかあります。
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