古くからの友人K子(仮名)は、高校時代には、教壇に立ってクラス全員の前で、自らの不思議体験を身振り手振り付きで語り倒したこともある、根っからの怖い話好きである。(それで授業つぶれたり)
で、卒業後も、アメリカにいる彼女の一番上のお姉ちゃんの新婚所帯においてある人形が、毎日ひとりでに向きが変わるだとかなんだとか言ってて、相変わらずの様子だった。
ちなみにお姉ちゃんの旦那はNASAの職員だった。
K子自身は翻訳業だったり外人社長の秘書だったり色々。外人上司を余裕で「ハゲ」と呼ぶ。で、ある日。
もう久々に、5年ぶりくらいに会ったときのこと。
わたしらの場合、5年前の話をそのまま「それでさあ、あの後××に行った訳よ。そしたらアンタね」と普通に再開する。あの後ってどの後なんだよというつっこみはまず入らん。
私もいつものように怖い話を始めたが、どうも彼女の反応が鈍い。
というか食いつきが悪い。
そしてついに彼女は、
「実は物凄く怖い話を聞いて、それ以来もうその手の話はしないことにした」
と言うではないか。
なんだその物凄く怖い話って。どんなのどんなのおしえておしえてと迫っても、
「いや。これは知らないほうがいいから」
と、ぜーんぜん話してくれないままだ。
でもそんな怖いなら知りたくないけど。
実はそれ以来またしばらく会ってないので、未だに聞けないままである。
あれほど怖い話好きだったのに。なぜだ友よ。
ちなみに稲川淳二の話ではないらしい。
そして、彼女が高校時代からずっと一貫してタケカワユキヒデのファンであり続けているのも、私としてはちと怖いかもしれない。
たしか、私が聞き古したキャプテン・フューチャーのLPレコードも彼女にあげたんじゃなかったか。惜しいことをした。
で、いったいその物凄く怖い話って何?
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おーいK子よ。
私が訳を頼んだペーパーバック「The Making of Miami Vice」を貴女が失くしたことについて、私はちっとも恨んでないので連絡下さい。あの本は定価数ドルだったのがいきなりプレミアついて、最高300ドルくらいまで高騰したんですけど、私は恨んでません。
だって実は保存版でもう一冊持ってるんだよ~ん。
(マニア)
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