あらら。
先日堂々と「マジンカイザー
対暗黒大将軍」などと、あまりにも東映まんがまつりなタイトルを書いてしまったけど、正しくは「マジンカイザー
死闘!暗黒大将軍」だったのね…。いやはや、昔気質ですんません。
で、「死闘!暗黒大将軍」がハードロックなら、ぼくらの「グレートマジンガー」はもちろんロックンロールだ。
主題歌「おれはグレートマジンガー」のレコードを初めて聞いたときの衝撃はでかかったよ。あの間奏~2番、なんかスゲーものを聞いてしまった気分になり、しばらく罪悪感のような物を感じていた位だった。なんつーか、子供向け番組で、こんなゴキゲンなノリ(死語)が許されるのかと思ったのだ。
そして近年、グレートのDVDに付属しているブックレットのインタビューを読んだら、主題歌「おれはグレートマジンガー」について、渡辺宙明氏が「プレスリー的なロックンロール」と語っておられた。
おお、なんとエルヴィス・プレスリーですってよ、お父さん。
しかし実を言うと、ぼくらのグレートマジンガーには、主題歌以外にもキングエルヴィスのご威光がそこかしこに輝いておることにご注目いただきたい。
剣鉄也のあのルックス、実はこれもまたキングオブロックンロールだ。
Zの甲児くんの普段着がタートルシャツに短めパンツ姿でみゆき族系だったのに対し、鉄也くんは、紫のスカーフに青のサファリジャケットとすそ広がりのパンタロンなシルエットのデニムパンツで、やっぱり年長組の装いだ。
(ちなみにみゆき族はマジンガーZ放映の頃には既に滅んでますな。さすがの私でさえそこまで古いのは見たこと無い)
70年代前半当時、正義の味方界のファッションリーダーといえば、もう絶対に本郷猛だったと思う。新1号時代の本郷はほんまにおしゃれで、もちろん当時流行のサファリルックでキメキメで、鉄也くんもこの辺を意識してのサファリ着用であろう(彼はアニメの人だからスカーフやたら長いけど)。風見志郎だって夏には半袖紺色サファリ着用だったと思う。
なお、本郷猛のおしゃれっぷりについては、十字架のペンダントがボタン開けた胸元からチラリとか、短靴ではなくショートブーツを履いてたりとか、それが「ロングヘアとマッチしてカッコイイ」と、友達の間で大評判だった(この辺昭和40年代の話)。
十字架チラリについては、細かい物が似合わない鉄ちゃんには無縁だとして、だけど彼は靴に関しては本郷よりも遥かに素敵なのを履いている。
なんせ鉄ちゃんの靴は濃い青だ。
スニーカーならともかく、当時も今も青い革靴なんてほとんど売ってないのにあえてそんな色なのだ。
お気付きですか、お父さん。青い靴と言えば…、そう、キングの名曲「ブルー・スエード・シューズ」だ。
ぼくらの星剣鉄也は、サファリにスカーフという正義の味方界のトレンドを踏まえつつも、実はその足元に、熱きロックンロール魂を宿していたのだ。
ブルースエードシューズだけは踏まないでくれよと言いつつ、ミケーネスだかキャットルーだかに蹴りぶっ込んじゃう鉄也。こいつはイカすわ。
さらに、初期の22歳版鉄ちゃんの髪型に注目だ。
あの四角くカットされた耳の横の毛だが、あれは当時の朝丘めぐみちゃんか、マジンガー的には弓さやかちゃんのような
姫カットの男バージョンだと思っていた。だがそれは見当違いで、あれは純粋に、壮年期のキングに倣った立派なもみ上げだったのではないか。
そして、鉄ちゃんのあのぎざぎざ前髪は、「エルヴィスオンステージ」におけるキングの、汗だくの額に張り付いた前髪そのものである。
でもさ、これだけせっせとこじつけて書いといてから言うのも何なんですが、鉄也の服は西部劇スタイルをイメージって、何かに書いてあったような気がするんだけど…。ジョン・ウェインか早撃ちマックみたいなスカーフの三角結びがそれを物語っているのかもしれない。
しかし、そんな事実は無視して私はあえて叫ぶ。
希代の大型ロックンローラー(体長25メートル)、グレートマジンガー!
がんばれぼくらのキング、剣鉄也!
16ビートで敵を叩きつぶせ!!
(…大丈夫なのか、私の具合は。)- - - - -
とんでもなシメなので、マメ知識を書いておく。
鋼鉄ジーグの司馬宙さんの薄黄色の普段着、あれは本当にエルヴィス・プレスリーのジャンプスーツがモデルです。
やたら高い襟やフリンジはキング以外の何物でもないっしょ?
当時、学校の先輩のお兄さんがジーグをやってる某プロダクションで働くアニメーターで、たしかその先輩が、「あそこの仕事場ってプレスリーとか良く聞いてるんだって。描いてる人がファンみたいよ」とおしえてくれた記憶があるんだ…おぼろげですが。かつてグレースランドに展示されていたキングの衣装。無敵の宙だ~。
上でさんざん書いたり、メンフィスまで豪邸見物に行った割には、実はそれほどエルヴィスファンじゃない私を許してください。
[0回]
PR