ナショナルポートレイトギャラリーのカフェで。
オシャレかしらと思って恥を忍んで昼飯の写真を撮ってみた。
そうでもなかった。
ちなみに、コーヒーより紅茶にしたほうが良さそう。あたしゃ失敗した。
で。
火災警報のサイレンを、なぜか私は最初、受話器がはずれてて電話が警報を鳴らしたんだと思ったんだな…。
でも受話器は別にはずれてなくて、そこでやっとどうやらこれは本当に火災警報だと気付いた。
あー、でも、この宿は古いしやたらバカでかいので、火災報知器がよく鳴ると聞いてたんで、特に気にせず荷造り続行。土産用の靴が入らん。
…いやしかし鳴り止まない。すげーサイレン音。
窓を開けると、向かいの棟の住人も窓を開けてキョロキョロしている。
なんか廊下でも非難してるっぽい雰囲気がしたので、パジャマのズボンをジーパンに履き替えて、リュックに金銭一式詰め込んで、カードキーも握って、とりあえず部屋を出てみた。
エレベーターホールのほうに行くと、スペイン人カップル(多分)がなんか「たいへんたいへん」みたいに騒いでいるがぜんぜんわからん。
脇の窓からロビー前の敷地を見下ろすと、そこに人が大勢出てきて騒いでいる。おー、こんなに客が泊まってたとは知らなかった。
私は呑気である。ぜんぜんコゲっぽい匂いもしないし、誤報だと思ってるんで。
そこに、エレベーターのすぐ横の部屋から、特大スーツケース2個と韓国人(多分)カップルが血相変えて出てきた。ウールコートにマフラーばっちり巻いて、逃げる気満々である。
なんか5人で顔を見合わせてたが特に喋らん。言葉わからんし。
私は韓国カップルを見て、やっぱ外は冷えるからコートを取ってこようと思ってまた部屋に戻った。
韓国カップル(特に旦那)はわあわあすごい慌てふためいていて、荷物を押しながらまた部屋に戻っていく。私はリュックだけだし、スペインは手ぶらだし、どうやら、こんな時に重いケース持ってしかもエレベーターなんかに乗れるわけがないと気付いたらしい。
で。
私がユニクロのトホホなダウンをひっかけてエレベーターホールに戻ると、まだスペイン組が窓の外を見ていて、そこに韓国組もスーツケース無しでまた出てきた。
で、スペインを先頭に、エレベーター脇の非常階段を5人で下りる。
階段はさらに強烈なサイレン音で、まあこれほどでかい音は聞いたことがございません。
階段を降りきってロビー前の敷地に到着。大勢の難民の仲間入り。
どうしたらいいのかわからんので、とりあえずみんな立っている。
建物の外は、中とは別の音がするサイレンが鳴っているらしい。
中国系のやはり一人でいるお姉さんが私に何か言いたそうである。(私は中国人に中国人だと間違われることが多いんだわ。)
近くの金髪の姉ちゃんが難しい顔して、胸元までノーパソもちあげて片手で何かカタカタ打っている。ツイッターかなあ?
パジャマにコートを引っ掛けた外人さん多数。
しばらくしてサイレンが止まると、みんなでざわ…ざわ…きょろ…きょろ…。
徐々に「なーんだ、なんでもないんじゃん…」って空気に変化。
フラッシュが数回光り、人が集まってる様子を写真に撮ってる人がいるらしい。
私より1日遅れで、関西の某専門学校の学生さんたちも団体で泊まっている。
円になって煙草を吸ったり、ふざけてポーズをとって写真を撮ったりしていたが、この子らはきちんと避難誘導とかしてもらえたのかなあと、ちらと心配してみたり。
そういえば、ロビーにこの学校の専門の机(折りたたみ)をおいて、ツアー会社か学校の人間かは知らないけど、おっさんが座ってた。ロビーを通ると、このおっさんの一人がなぜか私を怪訝そうな顔で見るんだよな…。ふふふ、団体客の多い宿で一人でフラフラしてたから「なんだこいつ」とでも思われたかね?
結局何だったのか、ホテル側からアナウンスなどは無し。
もーいいかと部屋に戻る途中、フロントの前あたりで人だかりが出来てたので覗くと、反射テープを貼ったベストを来たおっさんがスペイン語で宿泊客たちと話していた。
もちろん話はさっぱりわからず。
反射テープ氏は「以上!!」って感じで話し終えてすたすたどっかに行ってしまい、人だかりも、「まいっか、帰ろ帰ろ~」って感じで解散。
まあおおかた、部屋で煙草吸った奴がいたとか、検知器の過剰反応とか、そんなもんだったんではないかと。
私は部屋に戻って荷造り続行。
でもさ、いつか本当に火事になったりすると困るし、逃げといて正解だわさ。
[0回]
PR